2004年12月  小説  コミック

 

 羅刹の腕を振りほどけ−少年陰陽師 結城 光流
羅刹の腕を振りほどけ ―少年陰陽師
結城 光流 あさぎ 桜

角川書店
2004-12-25
売り上げランキング 293
おすすめ平均 

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安倍晴明の孫が主人公の平安陰陽師もの。前の感想はこちら。今回も激動です。この後どうなるのでしょう…。

大丈夫だと思うのですが、このままだと彰子本人が入内するのと同じ状態になってしまいますね。章子の方をさっさと元に戻して、取り返して欲しいです。章子はやっぱり気の毒なんですけど、だからって彰子の代わりに昌浩の隣にいられるわけじゃないですから。
そして匂陣は…大丈夫だとは思えないです。でも匂陣しか知らない情報を伝える必要があることを考えると、大丈夫なのかもしれないですね。私はここで匂陣が失われるというのもありかな、と思うのですが。
この話の晴明はおじいさんなので、精神的には安定していて安心です。健康は不安ですが。若くてあぶなっかしい晴明の出てくる話ばっかり読んでいたのでこんな感想になりますが、昔はおじいさんでイメージしていたんですよね。まあこんなひょうひょうとしたおじいさんで考えていたわけではないですけど。昌浩が一人前になるときって晴明がいなくなる時なんでしょうか。こんな頼りになる保護者がいたらどこで一人前って判断したらいいのやら。

 2004/12/31

 

 銃姫3 高殿 円
銃姫 (3)
高殿 円

メディアファクトリー
2004-12
売り上げランキング 11,650

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魔法が失われつつある世界。弾丸に魔法を込めて戦う魔銃士が主人公です。どうやら遠征王シリーズ(感想ここ)と繋がっている世界のようです。魔銃士のセドリックとアン、そして尼僧でセドリックの姉エルウィングが奪われた銃姫を求めて旅する物語です。

前回セドリックの魔力暴走、アンの結婚話と怒濤の展開だったのですが、そのまま直接繋がりませんでした。今回の決闘の相手ティモシー君はどうやら魔力ない感じがします。コンパスに対する反応とか。それで戦場に放り込まれてしまったら…また大暴走?
そしてアンも結婚から逃れるのは難しそうです。しかしこの話、ヒロインであろうアンもエルも怖いです。アンは健気でもありますが。たぶん物理的に一番怖いのはセドリックでしょうが、この二人がどっちに暴走するんだろうっていう方が読んでいて怖いです。

 2004/12/29

 

 やがてマのつく歌になる! 喬林 知
やがてマのつく歌になる!
喬林 知 松本 テマリ

角川書店
2004-12-28
売り上げランキング 9

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前巻の感想は→こちら。話はまだ区切りがいいところまで来てません。後書き読んでると角川らしく、色々メディアミックスしていて追いかけ切れません。CDはどっちでもいいんですが、書き下ろしが読みたいよ〜って気分です。以下ネタバレ。

色々判明してきています。まずやっぱり箱の鍵は三兄弟+ユーリでしょうか? ユーリだけは何で?って思うけど『お嬢様は〜』でのまだ生まれていない子供の血が鍵っていうのと、水の魔術の使い手っていうのがそんな感じしますし。
ラストのヘイゼル何でまだ生きてるのでしょうか? 彼女も魔族? で、コンラッドは何で彼女を知ってるのでしょうか? エイプリルとかクリスタルならわかるけど。そしてこの場面は英語なんでしょうか。ユーリってたぶん英語話せないはず…。で、歌はやっぱり英語の少なくとも地球の歌なんですよね。色々判明した代わりに謎が深まってる…。
今回意外じゃなかったのは、サラの裏切りですね。あれは予想した通り。
コンラッドの前回の突き落としはやっぱり帰そうとしただけのようです。味方なら味方らしく、敵に回るなら潔く敵に、はっきり行動しないとみんなつらいのに〜と思うのですが。でも私は絶対帰ってくるだろう派です。

 2004/12/28

 

 コーセルテルの竜術士物語1 石道 あゆま
コーセルテルの竜術士物語 1 (1)
石道 あゆま

スタジオディーエヌエー
2004-12-25
売り上げランキング 613

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休刊になった雑誌で連載していたコーセルテルの竜術士がタイトルを新たに登場です。
竜術士は竜の力を借りる代わりに子竜を育てることになっています。七人の子竜を預かっているマシェル(18歳なのに)を主人公とした話です。子竜たちがかわいい、ほのぼのした話です。七人もいると混乱しそうと思ったのですが、読んでいるうちに個性も掴めて、まったく問題ありません。

一番年上でマシェル第一主義の暗竜ナータとかいたずらっ子な風竜サータあたりはすぐに覚えられると思います。他の竜術士やもう少し大きくなった他の子竜達(マシェルの子竜はまだ幼児って感じ)も色々特徴があって楽しいです。ただし読むなら旧のコーセルテルの竜術士からの方がおすすめです。

 2004/12/27

 

 烈風覇王剣 暗夜鬼譚 瀬川 貴次
烈風覇王剣 ―暗夜鬼憚
瀬川 貴次 華不魅

集英社
2004-12-25
売り上げランキング 21,689

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平安時代、菅原道真の孫であり蔵人になった夏樹と陰陽生の一条(超有名な陰陽師の若き姿)が妖怪退治していく話です。夏樹が一途でお人好し、一条が人嫌い気味でクールとバランス(?)もとれています。登場人物も将門の残党やら馬頭鬼やら帝やら豪華絢爛です。
前回がすごい終わり方だったので、今回は楽しみにしてました。

…夏樹生き生きしてますね。まあこれは夏樹じゃない!って思いますけど。やっぱり本来の夏樹は眠ってるような状態なんでしょうか?後書きに主人公が史上最大の敵ってありましたが…その通りかも。今までで一二を争う強さです。
一条は今回かわいそうでした…が、元々この状態の原因の一つが一条だと思うと自業自得な気もしてしまう。ケンカの仕方が悪すぎるんですよね。もうちょっと素直に感情を表現しないと。
この事件解決すると夏樹宮廷に戻れなくなりそう。これでこのシリーズ終わりとかだと寂しいです。深雪の話とか色々大きく動いてるので、やっぱり話をたたむ方向なんでしょうか。

 2004/12/25

 

 星界の戦旗4 森岡 浩之
星界の戦旗 4 (4)
森岡 浩之

早川書房
2004-12
売り上げランキング 7
おすすめ平均 

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2巻の感想はこちら。今回はあとがきにもある通り、ラフィールとジントの影は薄く、戦闘の話が中心です。二人が好きなのでちょっと寂しいですが、新たにラフィールの弟ドゥヒール視点が入ってきました。

やっぱりこれはドゥヒールの部隊は孤立するという方向に行くのでしょうね。…しかしラフィールに対するみんなの態度は皇族相手であるからと思っていましたが、ドゥヒールと回りの人々の話の感じからして、ラフィールは特別のようです。そういう強烈な姉を持ったドゥヒールはちょっと気の毒です。
今回は大きく話が動く巻なのですが、どうも私がSF的なあたりをまったく理解してないので、戦闘の流れがまったくわかりません。わからなくても面白いのでいいやと思ってきたのですが、今後もこれで大丈夫なのかちょっと不安です。敵が侵入してきた…ってどのくらい危険なの?という状態です。とりあえず政治関係はきっちり押さえておけば楽しめると思うのですが…。

 2004/12/24

 

 王国の鍵6 紫堂 恭子
王国の鍵(6)
紫堂 恭子

角川書店
2004-12-25
売り上げランキング 347

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とうとう完結です。国王と第一王子が突然死去。王国の鍵というもの手に入れた者が王になると決まり、第二王子アーシャと第一王子の友だったバドも旅立つ…というファンタジーです。まだまだ子供だったアーシャも強く成長してきました。
ずっと不吉な予感がしていましたが、今回はアーシャとバドが切ないです。

国を背負う責任、人を傷つける痛み、どんどんアーシャは成長しましたね。悲しい日であることは間違いありませんが、アーシャとバドが再開する日を見てみたい気がします。そこまでにアーシャが何をしてきたのかも含めてですが。
竜絡みの話の部分は、もう一回初めから読み返さないと、記憶に残っていない部分が結構あって、話の流れがきちんとわからないようです。

 2004/12/23

 

 ライトノベル☆めった斬り! 大森 望/三村 美衣
ライトノベル☆めった斬り!
大森 望 三村 美衣


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かなり昔から最近までのライトノベルの流れをブックガイドを交えつつ、二人が対談方式で語る本。文学賞メッタ斬り!を読んだ方ならわかると思いますが、構成はあれに似てます。

ライトノベル読む人の中で、自分は結構年齢上だと思いますがそれでもリアルタイムでわかる話題が出てくるのは、ティーンズハートや前田珠子が出てくる100ページ近くです。まあ帯に「ライトノベル30年史」って書いてあるので当然でしょう。

語り手の一人が女性なためか、結構少女向けの話も出てきて嬉しかったです。ただファンタジーでもSFでもない当時流行っていた少女向け(まんが家マリナとか)も取り上げて欲しかったなと思います。
でも少女向けと少年向けって起源が違うっていうのは本当なんでしょうか? ちょうど両方ともファンタジーが流行りはじめた頃からの読者なので同じようなものだと思っていたんですが。

偏りはあるものの、昔から読んでる人にとっては懐かしのシリーズが取り上げられたりして、今年他に出たライトノベル解説系より面白いかもしれません。

 

ライトノベル☆めった斬り! Official Siteで掲載されていたブックガイドの既読調査をしていたので、挑戦してみました。シリーズのうち一冊でも読んだことがあれば、チェックとの条件なので意外と多いです。

002 (1980-p121-d),《クララ白書》《アグネス白書》氷室冴子(1980〜1983)
004 (1981-p123-d),《星へ行く船》新井素子(1981〜1992)
006 (1982-p125-e),《銀河英雄伝説》田中芳樹(1982〜1988)
008 (1983-p126-e),『少女小説家は死なない』氷室冴子(1983)
009 (1984-p128-c),《なんて素敵にジャパネスク》氷室冴子(1984〜1991)
010 (1984-p129-c),《丘の家のミッキー》久美沙織(1984〜1988)
012 (1986-p131-d),《アルスラーン戦記》田中芳樹(1986〜)
015 (1987-p133-c),《創竜伝》田中芳樹(1987〜)
016 (1988-p134-d),《エフェラ&ジリオラ》ひかわ玲子(1988〜)
017 (1988-p135-e),《ロードス島戦記》水野良(1986〜1993)
020 (1988-p137-d),《天使》折原みと(1988〜1995)
021 (1988-p138-c),《風の大陸》竹河聖(1988〜)
022 (1988-p138-a),《魔獣戦士ルナ・ヴァルガー》秋津透(1988〜1993)
023 (1989-p139-c),《ハイスクール・オーラバスター》若木未生(1989〜)
024 (1989-p140-a),《フォーチュンクエスト》深沢美潮(1989〜2003)
026 (1989-p141-c),《破妖の剣》前田珠子(1989〜)
027 (1989-p142-b),《無責任》吉岡平(1989〜1991)
028 (1990-p143-b),《スレイヤーズ!》神坂一(1990〜2000)
029 (1990-p168-b),《炎の蜃気楼》桑原水菜(1990〜2004)
031 (1990-p169-e),《星虫》岩本隆雄(1990〜)
034 (1991-p172-f),『ヘルメハイネの水晶の塔』井辻朱美(1991)
035 (1991-p172-b),《蓬莱学園》新城カズマ(1991〜)
036 (1992-p173-b),《ヴィシュパ・ノール変異譚》水杜明珠(1992〜)
037 (1992-p174-c),《十二国記》小野不由美(1992〜)
038 (1992-p175-e),『六番目の小夜子』恩田陸(1992)
039 (1993-p176-c),《デルフィニア戦記》茅田砂胡(1993〜1998)
043 (1993-p180-c),《封殺鬼》霜島ケイ(1993〜)
045 (1994-p182-b),《魔術士オーフェン》秋田禎信(1994〜2003)
046 (1995-p182-f),『タイム・リープ あしたはきのう』高畑京一郎(1995)
049 (1996-p184-d),《ブラックロッド》古橋秀之(1996〜2000)
050 (1996-p185-b),《楽園の魔女たち》樹川さとみ(1996〜2004)
051 (1996-p186-c),《星界》森岡浩之(1996〜)
052 (1996-p187-d),《電脳天使》彩院忍(1996〜1998)
055 (1997-p189-c),《ちょー》野梨原花南(1997〜2003)
056 (1997-p190-d),《月の系譜・桜の系譜》金蓮花(1997〜)
058 (1997-p191-c),《西の善き魔女》荻原規子(1997〜1999)
060 (1997-p193-c),《都市》川上稔(1997〜)
061 (1998-p193-a),《ブギーポップ》上遠野浩平(1998〜)
062 (1998-p194-b),《フルメタル・パニック》賀東招二(1998〜)
063 (1998-p195-e),《ペリペティアの福音》秋山完(1998〜1999)
064 (1998-p195-d),《マリア様がみてる》今野緒雪(1998〜)
065 (1998-p196-b),《ラグナロク》安井健太郎(1998〜)
067 (1999-p198-e),《EDGE》とみなが貴和(1999〜)
070 (1999-p200-c),《スカーレット・ウィザード》茅田砂胡(1999〜2001)
071 (1999-p201-c),《流血女神伝》須賀しのぶ(1999〜)
075 (2000-p236-b),《キノの旅》時雨沢恵一(2000〜)
076 (2000-p237-b),《まるマ》喬林知(2000〜)
077 (2000-p237-d),《虚空》上遠野浩平(2000〜2002)
079 (2000-p239-c),《猫の地球儀》秋山瑞人(2000)
081 (2001-p241-c),《A君(17)の戦争》豪屋大介(2001〜)
083 (2001-p242-c),《イリヤの空、UFOの夏》 秋山瑞人(2001〜2003)
085 (2001-p244-f),『かめくん』北野勇作(2001)
086 (2001-p245-b),《トリニティ・ブラッド》吉田直(2001〜)
088 (2001-p246-f),『紫骸城事件』上遠野浩平(2001)
089 (2001-p247-e),『失踪HOLIDAY』乙一(2001)
094 (2003-p251-d),《七姫物語》高野和(2002〜)

56ですね。平均はどのくらいなんでしょう。これに答える時点でかなりのライトノベル好きな気がしますし。一冊でも読めばという条件なので平均も意外と高そうです。
私も『ルナ・ヴァルガー』とか『A君(17)の戦争』あたりは一冊しか読んでない気がしますし。『ヘルメハイネの水晶の塔』は図書館で読んだ記憶はあるのですが、中身の記憶がありません。そういえば『電脳天使』は好きだったんですが、どう考えても他に比べてマイナーだった気がします。改めて見ると選考基準がちょっと謎です。

今の時点ではブギーポップシリーズが一番のようですが、結果楽しみです。

 2004/12/19

 

 しゃにむにGO 19 羅川 真里茂
しゃにむにGO 19 (19)
羅川 真里茂

白泉社
2004-12-16
売り上げランキング 148

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もと有力陸上選手の延久とかつてはトップクラスだったもののブランクがある留宇衣、二人が主人公の高校テニスものです。超お子様な延久とクールな留宇衣。前向きお気楽タイプ延久と繊細でプレッシャーに弱い留宇衣。スロースターターでスタミナがある延久と試合が長引くほど不利になるスタミナが少ない留宇衣。対照的な二人が団体戦やダブルスで協力したり、シングルでお互いに争ったりしながら、ちょっとずつ成長中です。
延久には片思いの君ひなこがいますが、彼女には昔付き合っていた人が。そして留宇衣には昔からのライバルがいます。このひなこの元恋人にして留宇衣のライバルが今のところキーパーソンですね。以下ネタバレ。

色々印象的なエピソードがあったのに…最後のプロポーズでふっとんでしまいました。さすが駿君。他の人と言うことやることが違う。でもでもなごみ系の延久のがいいと思うので、がんばれ延久!
そして留宇衣はこれからマスコミとかに色々言われそうです。考えすぎてしまうタイプは、プロの世界は厳しそうな気がします。この性格あるいは考え方をどう乗り越えて行くか…が問題ですね。
そして三年生が引退。普通の、才能が特にあるわけじゃない二人の話も良かったので寂しいです。今度入ってくる一年はどんなタイプでしょうか?

これで第二部終了です。三年での成績はどうなるのか? 駿に勝てるのか楽しみです。

 2004/12/17

 

 闇に歌えば4〜11 瀬川 貴次
白木蓮の満開の夜
瀬川 貴次

集英社
1993-06
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黄金(きん)色の黎明 後編―闇に歌えば〈11〉
瀬川 貴次

集英社
1996-12
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二冊分だけリンクしておきます。

 

ちょっとずつ読んで、ちょっとずつ感想を書くつもりだったのですが、気がつけば一気読み…。こういう時に勢いを止められないのが、我ながら情けないです。
途中で柊一も出てきて、登場人物もどんどん増えていくし目が離せなくなってしまいました。以下ネタバレ。

読み進めるうちに敵の姿や物語の向かう方向がわかってきて、惹きつけられます。敵が何者なのか(かなりの歳月秘密に活動してきた描写がありました)ずっと気にしていましたが、松栄が平曲を歌ったときには「まさか!」でした。安徳天皇とは思いませんでした。最終的にもうひとひねりでしたが。
ヤミブンと御霊部の仲の悪さはよくわかりました。それに比べていまだに柊一と誠志郎が仲が悪い(似たもの同士だから?)のは残念。あれだけ色々強力して危機を乗り越えたのに〜。
和宏と美佳子が最後まで、陽気に振る舞っていたのは良かったです。誠志郎も友だちは増えたし、色々な危機は乗り越えたし、ずいぶん成長したようです。

これでまた聖霊狩りの方を読みたいと思います。

 2204/12/15

 

 青い翅(はね)の夢魔/影の召喚者 瀬川 貴次
青い翅(はね)の夢魔
瀬川 貴次

集英社
1992-01
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影の召喚者
瀬川 貴次

集英社
1992-07
売り上げランキング 290,248

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入手困難なのですが、何とか伝手をたどって読めました。

出てくる細々としたものにすごく時代を感じますね。ゲームはファミコンだし、両国の江戸東京博物館は建築中。もちろん携帯だってありません。そしてスーパーファンタジー文庫って口絵があったんですね。途中からあまり見かけなくなった気がします。以下ネタバレ。

とうとう誠志郎はヤミブンの一員に。そして持っている能力がわかってきました。結構強力そうです。あとはこれを自由に使えるかどうかが問題ですね。
そしてついつい事件に首をつっこんで怪我してるので、お人好しすぎなのではと心配に。

続きはすぐ読めるはずです。楽しみです。

 2004/12/10

 

 緑と金の祝祭 英国妖異譚9 篠原 美季
緑と金の祝祭 英国妖異譚(9)
篠原 美季 かわい 千草

講談社
2004-12-03
売り上げランキング 2,224

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イギリスの寄宿制高校を舞台に、日本で育った霊感のあるユウリとフランスから来たシモンが魔術的な事件に巻き込まれて解決していく話。ここに一学年上のオカルトに詳しいアシュレイを含めた三人がメインメンバー。シモンが神々しいまでに完璧な王子様で、ユウリは無垢な魔術師、アシュレイは知識はユウリに勝るよこしまな魔術師といった感じです。。ケルトが絡む話が多く出てきます。また学校内の運営を巡る政治的な話も結構多いです。
だんだん面白くなってきてますが、ややボーイズラブ?な雰囲気があるので、ちょっとでも気配がするのは嫌って方は読まないほうがいいです。以下ネタバレ。

ユウリに関わるとみんな妖精の世界に旅立ちそうになりますね。以前少し出てきたアレックスは再登場した途端、行方不明に。アシュレイには散々な言われようですし。
そしてアシュレイから鍵を受け取ってしまったユウリはどうなるのでしょう? 色々な意味でやっかいなものだと思うんですけど…。
そして相変わらず隙がないシモン。隙が出来るのはユウリ絡みだけだし。ユウリ中心で色々画策してますが、彼の今後の人生がちょっと心配です。

結構出るのは早いシリーズですが、続き楽しみです。

 2004/12/9

 

 聖霊狩り 夜を這うもの 瀬川 貴次
聖霊狩り―夜を這うもの
瀬川 貴次

集英社
2001-06
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聖霊狩り第二弾。舞台を転々としていくタイプの話かと思いましたが、同じ街です。ずっとここが舞台になるのでしょうか? ところでお笑い担当の萌ちゃん。こういうタイプの人(ここまで極端じゃないけど)いるよな…更におかしい。以下ネタバレ。

今度はさそりか〜。細かい足も嫌いですが、ジガバチよりはいいです。たくさんいるシーンは想像しない方が良さそうです。
意外に(?)色々能力を持っていそうな柊一。今回出てきた召還能力を持つ美也とは協力していくことになりそうです。能力乗り移りはやっぱり鈴のせいなんでしょうか?
誠志郎は…利用されてるけど、いいんでしょうか。彼の能力もまだ私には良くわからないので、楽しみです。

 2004/12/7

 

 聖霊狩り 瀬川 貴次

聖霊狩り
瀬川 貴次

集英社
2000-09
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『闇に歌えば』(感想こちら)の続巻は当分読めそうもないので、こちらのシリーズへ行ってしまいます。時間的には後になるので、ちょっともったいないかもしれません。誠志郎と仲が悪いらしい柊一が主人公。どうやら鈴を使って力を使うらしいです。誠志郎は準主役から目立つ脇役くらいのポジションっぽいですね。以下ネタバレ。

誠志郎が結構積極的になっていて、霊感強いって言われてるし、色々あって少し成長したんだろうなと思わされます。でも柊一と誠志郎はどうして仲悪いんでしょう? 別に敵対している立場では無さそう(かなり張り合ってる部署ではあるみたいですが)なのに。
個人的には今回の敵がかなり嫌でした。ジガバチ想像するだけで気持ち悪い〜。「まさか…まさか」「ああ、やっぱりジガバチで卵生みつけられてる!!」という感じに読んでました。もともとあの生態が嫌なんです。次回はもっと気持ち悪くないといいな、勝手にと希望します。もう出版されてますが…。

 2004/12/6

 

 夏の名残の薔薇 恩田 陸
夏の名残の薔薇
恩田 陸
文藝春秋
2004-09-25


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今回はこの本の感想というより、恩田陸について感じたことを書いてるだけです(^^;)。内容についてもほとんど触れてないし、当然ほとんどネタバレなしです。

恩田陸は私にとって不思議な作家です。私はラストがはっきりしないような話は苦手だし、自分で上手く解釈したりかみ砕くことの出来ないタイプの本もあまり好きではありません。恩田陸はまさにこのタイプ。ラストがはっきり綺麗に着地することのが珍しいし、いつもいつも自分が読んだ内容を理解しているという感覚がありません。

なのに、大好きなんです。だいたいの作品は楽しく読みますし、一部の作品に至ってはストーリーだけではなく雰囲気にうっとりした状態になってしまいます(というかなっていることに読後気づく)。今のところ『ライオンハート』『黒と茶の幻想』がそんな感じで恩田陸の世界に酔わされたな〜と読後に感じた作品です。

そして今回の『夏の名残の薔薇』もそうなんです。正直読み終わった今やや混乱してますし、不満を感じる箇所もいくつかあるんですが、「これだけいい気持ちで読めたからいいや」って気になるという…。

皆に勧められる本ではないと思いますが、幻想的な感じが好きな人にはお勧めです。でもこれミステリーとして出てるんですよね。ミステリーじゃないとはいいませんが、ミステリーとして読んだら面白く感じなかったかも。私はジャンル「恩田陸」だと思って読んだのでまったく問題ありませんでしたが…。

 2004/12/3

 

 ライトノベル完全読本 Vol.2 雑誌
ライトノベル完全読本 Vol.2
日経BP社
2004-12-04


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 驚きました。いつのまに2が? この間出たばかりだと思っていたのに…。やっぱり少女向けが少なめなので、共感して読めるところは少なめです。まだ全部読んではいませんが。

が、一応少女向けを特集しているところがあり読みふけってしまいました。一番嬉しかったのは氷室冴子の話が出ていたこと。雑誌コバルト12月号買っていたので、次号の予告を見たところ…ありますね! でも読本でも触れられていたように、再掲載ですね。年がばれますが、昔これを読んで大人っぽいけどいいなと感じて保管したからです。今でもこれが載ったコバルト家のどこかにあると思います。氷室さんにはこれを機に戻ってきて欲しいです。
年表を見ていると、自分がライトノベル(当時こういう言葉なかったですが)にはまった時期とか思い出して感慨深いです。

全体的には対談、インタビューが多く、好きな作家が入ってる人には嬉しいと思います。私が読んだことある作家が多くて楽しめました。少女向けの人がいても…と思いましたけど少女向けは活字倶楽部ありますしね。

ライトノベルがすごいの方がエンターテイメントに徹していて、読みやすく感じました。

一位はマリア様がみてるなんですね。私夢の宮が好きなのでちょっと寂しいです。マリみてが売れてるせいか、夢の宮の新刊が全然でない…。

 2004/12/3

 

 風の王国 女王の谷

毛利 志生子

風の王国女王の谷
毛利 志生子
集英社
2004-11-29


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風の王国第三弾(前の巻の感想はこちら)。主人公翠蘭と夫であるリジムはますますラブラブです。コバルトにはやっぱりこういう恋愛と波瀾万丈の物語のある面白さが必要だと思います。まだしばらく続編も出るそうなので楽しみです。以下ネタバレ。

惚れた弱みで翠蘭に弱いリジムがいいです。翠蘭がちょっとにぶいので、かわいそうですけど。
生き生きしてる翠蘭が、どんどん生活に馴染んで幸せそうな様子は読んでいて楽しいです。…でも史実通りにいくと幸せとはいえないですよね。史実は史実という気持ちと、それはそれとして幸せになって欲しいという気持ち両方感じます。上手くひっくり返してもらえると嬉しいんですが。
今回の女王の谷。史実にもこういう国があるのでしょうか? チベット史を知らないので、良くわかりません。全体的に無理に創作しないようにしている感じがするので、ある程度事実に即しているのかもしれません。今回は唐の話でも吐蕃の話でもないので、少し余裕がある感じです。それだけにカウラ、ラトナ、タシバールに関わっていく中で、二人の結びつきが感じられました。…ちょっとカウラは強烈すぎますけどね。

(ライトノベル)

 2005/12/1